人工透析における看護師の役割三つ

重い腎臓障害などを患った場合には人工透析が必要になります。人工透析というのは、血液の濾過機能を担う腎臓にかわって、人工的に血液をきれいにする医療行為を指し、それには医師だけでなく看護師も大きく関わります。看護師の役割の一つめは、人工透析の事前準備を行うということです。専用の透析機を準備するとともに、透析前に患者の体重や血圧を測定したり、透析のために患者の手首にある動脈と静脈に針を刺すといった作業を行います。

また、二つめの役割は、透析中の患者の観察です。透析をしている間に患者の健康状態が悪化したり、気分が悪くなるという状況が発生する可能性は低くありません。これは、透析によって血圧が低下しやすくなるためです。そのため、看護師は、万が一の事態に備えて注意深く患者の様子を見守る必要があるのです。

さらに、三つめの役割として、患者の健康状態のケアがあります。人工透析を受けるに際しては、厳格な体重管理や食事制限が求められるため、患者が適正な状態にあるかどうかについては慎重にチェックしなければなりません。少しでも患者の健康状態に改善すべき点が見られるようであれば、一緒に生活習慣を見直したり、必要な生活指導を行う必要があるのですが、そういったことも全て看護師が担うことになるのです。看護師が健康管理を正しく行えば、QOLと言われる患者の生活の質を高められますので、その役割は非常に重要であるといえるでしょう。